伝統と歴史とファッション
2021.01.29 UP!!
小難しい題名になりますが、
本日は新入荷のFisherman Shirtsについて書きたいと思います。
このシャツのデザインベースにあるのは古くからポルトガルの港町ナザレで伝わる伝統的な漁師服。
重要なディテールは残しドレスシャツとしても着用できるように仕様、サイズ感等再構築しています。
海風の寒さから首元を守る台襟2個釦仕様の高襟ラウンドカラー。
(イタリア語ではドゥエボットーニ「ドゥエ=2個の、ボットーニ=ボタン」と呼ばれる仕様です。)
三つ並びのフロント釦は真ん中以外は飾りです。
漁の際に船上で取れたボタンのリペア用に使われていたとも言われています。
ドレスシャツとしても成立させるために前身の剣先型の切り替えは廃し、ピンタックのみ生かしています。
デザインの統一感を持たせる意味もある後ろ身左右のピンタックは肩甲骨の運動量を確保するヨーク下のタックやギャザーの代わりの実用性も兼ねたアレンジです。
ナザレのシャツは風土や歴史もありタータンチェック等の毛織物で作られています。
が、ここ日本で日常的に、より長い期間着れるようにORGLORYでは綿ベースの生地で生産しています。
今回使用している生地については商品ページにておすすめポイントを書いてありますのでそちらをチェックお願いいたします!
伝統や歴史の中にある民族服や制服などは「ファッション」とは本質的には違うものなので、
国や地域、環境や文化が違えばメディア等で見ることはあっても一生のうちに着たり触れたりしないものがほとんどだと思います。
そういったものをファッションというフィルターを通して触れ、ひいては国や伝統、歴史に興味を持つきっかけになると嬉しいです。